仕事をする上での性格や価値観、あるいはどこまでハードワークできるかなどのキャパシティは、おおよそ28〜33歳くらいの働き方で決まると思っている。
ちょうど社会人になって5年目くらいで価値が出せるフェーズに入っており、体力的にも頑張れる時期だからだろう。その期間に「良い仕事を」限界まで頑張った人は、その後どんな状況に置かれても切り開いていくだけの生きる力がつくと思っている。
一方で30代半ばを過ぎると、スキル・知識などを伸ばしていくことはできるが、本質的な価値観や性格は変わらない。30代半ばになって以前よりも質・量ともによく働けるようになった人とか、滅多に見ない。諸々、変えることが難しい。その時点に到達してしまったら、その人を「育てる」ということはもうできないのだ。
じゃあ、その年齢になったら知識・スキルを積み上げる以外に何もできることがないかというと、そうでもない。人は、性格は変わらなくても、心は変わりやすい。その心を安定させる能力を伸ばすことが次なるステップになるのではないかと思っている。
心を揺れ動かさないためにも、過去の失敗を振り返らない。未来の不安を数えない。環境のせいにも、相手のせいにもしない。不測の状況になっても、自分がコントロールできることだけに集中する。環境も他人も変えられない。変えられるのは自分だけ。常に、今、ここで、できることに集中していく。
この安定は、自分でしか勝ち取れない。誰かに育ててもらうものではない。心の余裕や落ち着きは自分で得るものだ。
そして、その先に待っているのが他人への受容力。これが仕事の成功、そして人間としての成長をもたらす。人としての成長は、多様性を受け止める力。
これを、もっともっと、身につけたい。
そんなことを考えながら、日々、仕事をしている。