理事になることで何か大きく変わるかというとそうでもないし、起業で忙しい中で以前より手を動かすことは難しくなっているのだが、一方で僕ならではの経験から色々と刺激は与えられることもあるかもしれないとは思っている。
思えば、2009年の9月に、Oxfordにある回転寿司屋のYo!Sushi!で、日本人の同期の飲み会で突如思いついたのが、この二枚目の名刺プロジェクトだ。
メンバーそれぞれが、夏の間たまたま非営利団体のプロジェクトに従事したことで、得た知見や想いから考えついたプロジェクト。当時は、日本の社会起業のことはおろか、プロボノという言葉すら知らなかった。
当初の名称案が「日本二枚目の名刺協会」だったのは懐かしい(笑)
学びの場としてのNPO
二枚目の名刺の活動は、NPOを支援するNPOという立ち位置から始まったのだが、あくまでも視線はNPOではなく、NPOを支援する人材に向いている。
翌2010年に書いたブログエントリーで、僕は二枚目の名刺についてこう表現していた。
家と職場以外に、もうひとつ。自己実現、大人の学び場、そして新たな親友や師匠との出会いの場を持とうぜ、という生き方。
NPOで働きながら生計が立てられる社会が理想だけど、そういう社会になるひとつ前の社会として、働きながら社会貢献をするのが当たり前の社会をつくろうぜ、という社会のあり方。
こんなのを推進しようとして立ち上げた「二枚目の名刺」。
自分のツイッターでのコメントを振り返ったら、2011年にはこんな書き方をしていた。
二枚目の名刺を持つ事を、単にNPO支援と言う名のボランティアだと思ったら、持ってるスキルを提供するだけだと思ったら、まったく本質を見誤ってる。どれだけ一枚目の本職にも好影響をもたらすかが見えていない。
— Akiyuki Minamiさん (@ak_oxford) 5月 28, 2011
最初は、NPOを始める事で会社からの評価が下がる事をビビっていた某メンバーが、マネジメントスキルを向上させ、社内で目を見張るほどの成果を出し始め、会社からの評価が急上昇したという話を聞いて、本当に嬉しかった。
— Akiyuki Minamiさん (@ak_oxford) 5月 28, 2011
基本的情動と二次的情動の融合、つまり価値観や感情に基づく判断と、頭で考えた判断の差がなくなっているセルフリーダーを生み出す事。それが二枚目の名刺の活動が社会人に及ぼす効果。
— Akiyuki Minamiさん (@ak_oxford) 5月 28, 2011
会社人を社会人に変える。生活はできるが価値観に従って生きていない会社人、価値観に従った結果生活がおぼつかないNPO職員。それぞれが、価値観に従い、ちゃんと生きて行く事ができるようになる事。企業と社会起業の垣根がなくなること。そんな社会の実現に近づけて行くこと。
— Akiyuki Minamiさん (@ak_oxford) 5月 28, 2011
当初、「大人の学び場」としての二枚目の可能性を感じつつも、それが具体的に何を意味するのかということが、少しずつわかってきたのがこの頃だった気がする。
同じ年の秋に実施したイベントを宣伝する際には、こんな表現をしていた。
社会貢献って、ビジネスマンが「ビジネススキルのない」人たちに何かを教えてあげたりすることだと思っていませんか?
一応、会社経営の一端を複数企業で担ってきた経験から言うと、「NPOの方が営利企業よりもマネジメントは難しい」です。その心は色々あるけれど、例えば「給料を払っている」「被雇用者」と、「給料を払っていない」「有志の仲間」を継続的に働かせるのとでは、どっちが難しいと思う?といった話。
じゃあ、そんな難しいマネジメントを通じて、本業でも生かせるようなどんなスキルやマインドを身につけることができるのか。そして、なぜそれがこれからの世の中を生き抜くのに必要なのか。。。
ポジティブループを回すスイッチ
家と職場と「もうひとつ」。
それは自己実現の場であり、出会いの場であり、学びの場である。
特に割りとNPO特有かもしれないなと思うのは、学びの場としてのパワー。
・・・マインドセットを変えたい人の場
・・・社会的地位に関係なくフィードバックや内省する機会を得られる場
・・・変革型のマネジメントを学ぶ場
これらは家と会社の往復では、なかなか得ることができないものばかり。
「社会貢献ってなんか敷居が高いし・・・」とか、「聖人みたいないい人達がやるんでしょ?」みたいなイメージでなんとなく近づけない人は、一度二枚目の名刺のイベントなどに気軽に来てくれたらいいと思う。
むしろ、ビジネスマインドで一杯の人達のほうが、刺激を受けるんじゃないかな。
じゃあ、学んだ先に何があるのか。
最後に、つい先週のツイートをご紹介。
最近、よく考えていること。
「役に立つと嬉しいから」では説明できないくらい、人の為にリソースを割く人がいる。実は、誰かの役に立とうということは、何ができるか自分を見つめ直し、教える事で自らが学び、より魅力に磨きがかかり、物事がうまく行き始めるという、ポジティブループが回ることを知っているからなんだろう。
— Akiyuki Minamiさん (@ak_oxford) 6月 22, 2012
僕は、こういうポジティブループをまわすお手伝いをしたいんだなと、最近よく思う。
僕は、そして二枚目の名刺は、あなたのポジティブループをまわすスイッチになるよ!
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